【完】一途な生徒会長は溺甘以上に独占したくて。


わたしだけを見つめて微笑んでくれた。



「先輩にとって歌桜が特別ってのは間違いなさそうね」

「そんなことは……」



ない、と言いたいところだけど。

今日の出来事を思えば、そうとは言い切れない。


〝好きになってもらえるように〟って行動までしてきてくれてる。



「ほら、彼が待ってるんだから行ってきなよ!」

「わっ……」



華恋ちゃんに背中を押されて一歩踏みだした。



「先輩のこと、いろいろ知れるいいチャンスだよ」



可愛くぱちっとウインクを見せてくれる。

藍澤先輩のことを知れるいいチャンス……。



「……ありがとう、華恋ちゃん」



そうだね。

藍澤先輩の気持ちに応えていくのはお礼のひとつだよね。

< 32 / 391 >

この作品をシェア

pagetop