【完】一途な生徒会長は溺甘以上に独占したくて。
わたしだけを見つめて微笑んでくれた。
「先輩にとって歌桜が特別ってのは間違いなさそうね」
「そんなことは……」
ない、と言いたいところだけど。
今日の出来事を思えば、そうとは言い切れない。
〝好きになってもらえるように〟って行動までしてきてくれてる。
「ほら、彼が待ってるんだから行ってきなよ!」
「わっ……」
華恋ちゃんに背中を押されて一歩踏みだした。
「先輩のこと、いろいろ知れるいいチャンスだよ」
可愛くぱちっとウインクを見せてくれる。
藍澤先輩のことを知れるいいチャンス……。
「……ありがとう、華恋ちゃん」
そうだね。
藍澤先輩の気持ちに応えていくのはお礼のひとつだよね。