相性がいいみたいなのですっ
 言われて、眼鏡が天板に置かれて、それと引き換えみたいに日織(ひおり)さんがグラスを手に取られて――。
 そのままそれを僕の口元に当てがってくださるのかな?と思ったら、日織さんが飲まれたのが分かった。


 日織さんもたくさん――それこそ恐らく僕よりも多く――飲んでいらしたし、喉、渇いておられるのかな?


 そんな風にぼんやりした頭で思ったのだけれど。


 急に彼女の小さな手に両頬を挟まれたかと思うと、愛らしい唇が重ねられて……。
「んっ!?」
 ひんやりした水が口の中に流れ込んできた。


 あの……。
 これって……もしかして……口移しですか?
 やばいな。
 すごく嬉しいんですが!
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