相性がいいみたいなのですっ
 僕が覚悟を決めて口を開くと、日織(ひおり)さんが満足したように僕の唇をパクッと(くわ)えるような、どこか可愛らしいキスを落とした。

 始まりこそ何となく子供っぽくて可愛かったのだけれど――。
 いつもは僕がリードしてやっとオズオズと舌を絡めていらっしゃる日織さんなのに、今日は彼女の方から積極的に舌を伸ばしていらして。

「ふ、ぁ……っ」
 そのくせうっとりした様に、妙に色っぽい声を漏らすのも日織さんの方なんだ。

「しゅぅたろぉさんのお口の中、いつもより熱い、です……」

 僕から唇を離して、濡れ光る唇をペロッと舌先で舐めると、日織さんがうっとりしたようにそうつぶやく。

 いや、口の中が熱いのは日織さんもですよ?

 そう教えて差し上げたいのに、今度は着ていたシャツのボタンに手を掛けられて。

 日織さんの小さくて細い手指が、ひとつずつ丁寧に僕の着衣の前をくつろげていく。

 自分で脱ぐのは平気なのに、どうして日織さんに脱がされるのはこんなに照れ臭いんだろう。


「あ、あのっ、日織っ、自分で……」
 脱げますのでっ!と言おうとしたら「ダァ〜メ!」と可愛く(たしな)められてしまった。
< 27 / 42 >

この作品をシェア

pagetop