いつまでも、君が大好きです。
「え、美奈?」
湊都が驚いた顔でこっちを見てくる。
あ、デートの約束は別にしてなかったんだった。
まぁいいや。
「あ、そうなんですか!じゃあ私邪魔かなっ?もう帰りまーす!」
そう言うと、野崎さんは私たちにくるりと背を向けて、自分の下駄箱の方へ行って、そのまま帰って行った。
「、、、何だったんだろうね。」
私が笑いながらそう言う。
と、湊都は笑ってなくて、、、。
「今日、いつデートの約束してたっけ?」
あー、、、、怒って、る?
「あの、、、ごめん。つい、、急だったよね!全然いいからー。」
「は?言い訳ねぇだろ。行くぞっ。」
私の言葉を華麗にスルーして、湊都は私の手を握ったまま靴を履き替え、そのまま一緒に外に出た。
「ちょ、湊都!?どこ行く気!?」
「美奈からデート誘ってきたんだろ?ほら、行くぞ。」
そういって湊都は、見慣れた光景の町を歩き出した。

「到着!」
「湊都ってば、ここ来るなら言ってくれてもいいじゃん。」
私たちが辿り着いたのは、緑ヶ丘公園だった。
「でも、歩いてる時からもう察してたでしょ?」
「まぁ、ここだろうとは思ったけど。」
「じゃ、行こっか。」
そういって、一歩踏み出そうとした時。
あ、、、めまい、が、、!
でも、倒れちゃだめ、、、。
湊都は私の異変に気づいてなくて、手を繋いだまま歩くのをやめない。
「今日あんま人いないね。」
「うん、、そうだねー。」
絶対にバレちゃだめ。
そう思って、私はなんとか平然を保って歩く。
私たちが今居るのは、中央公園を出た所にある脇道。
ここをまっすぐ行ったところにある、大きなイチョウの木の下。
私たちが向かっているのはそこ。
大丈夫、足取りもちゃんとしてる。
視界もたまにボヤっとして、前が見えなくなる時があるが、湊都が手を繋いで歩いてくれているお陰で、なんとかベンチまで倒れずに歩けた。
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