秘密のノエルージュ
「俺、女の人の胸なんて触ったことねえし、下着のことなんて全然詳しくないけど。一生懸命覚えた知識と憶測で、多分そのぐらい。違う?」
「え……えっと……」
そんな確認されても、素直に合ってるとも間違っているとも言えない。
言えはしないが、恐ろしい観察眼と推理力だ。――合っている。
いや、でも、なんで。
「へ…………変態?」
「自分でも百回ぐらいそう思った」
先日までパーカーだったのに今日はコートを着ていた大和が、白い息を吐きながら苦笑する。
「二年前に菜帆の下着姿見たときから」
「!?」
告げられた思いがけない台詞に、菜帆は今度こそ顔が熱く火照った。きっとツリーに飾られた丸いオーナメントのように赤くなっている顔を、手袋をしたまま押さえる。恥ずかしい、とちゃんと顔に出せているはずなのに、大和の告白は止まらない。
「好きなやつのあんなカッコ見て、何も思わない男なんていないからな」
「やま、と」
「ま、外れててもいいよ。サイズはあとからでも交換できるらしいから」
はは、と苦笑する声がすぐ隣から聞こえる。
大和は菜帆に、本当に下着をプレゼントしてくれるらしい。
「クリスマス、毎年親いないんだ。結婚記念日だから」
それなりに人通りが多い歩道の端を歩きつつ、大和が大胆な事を言う。