神様が私の願いを最後に叶えてくれるなら


 私が手編みしたマフラーを……



 自分が苦労して作ったような素振りをしながら、春樹に渡したのね!

 勝手に部屋の中を探し回って、クローゼットから持ち出したの!

 私がマフラーを手編みしてる姿や、首に巻いてるのを見たのはアナタだけよ!

 幼い頃から、私が春樹のことを好きって愛奈は知ってたじゃない!

 なぜ私の物や好きな人を欲しがるの、子供の頃と一緒ね!



 妹だからって、ゆるさないわ!


 ――なんとか言いなさいよ!



 目を見開き、両手に今までの怨みを込めて妹の首を締め付ける。


 その時。



「……お姉ちゃん」



 どうして……


 眠ってるはずのアンタが、涙を流すのよ……




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