一途な御曹司は溺愛本能のままに、お見合い妻を甘く攻めて逃がさない

「私はずっと結婚して、子どもを作って育てるだけの役割だと思ってました。でも、私はそれでもいいから、鷹也さんと一緒にいたい、鷹也さんの子どもが欲しいって思ってたの。好きな人の子どもが欲しいって、わがままに思ってました。まさかそんなこと思うなんて、考えもしなかったのに」

 私が言うと、鷹也さんは優しく笑う。

「あのとき、沙穂が思い切ってローマに旅行に来てくれたから出会えたんだ」

 鷹也さんが言う。私は頷くと鷹也さんはいたずらっぽい笑みを浮かべて私に問うた。
 あの時と同じ問い。

「で、あのときの冒険はどうだった? スリにあって大変だった?」
「鷹也さんに出会えたから結果オーライです!」

 にこっと口角を上げて微笑むと、鷹也さんも笑う。

「それはよかった」

 私は鷹也さんに思いっきり抱き着いていた。
 顔を上げると、交わされるキス。


「沙穂、愛してる」
「私も鷹也さんのことを愛してる」


 もう一度顔を上げて、私は鷹也さんに微笑む。
 すると鷹也さんは甘く蕩けるような声で言う。

「わがまま、もっと言っていいんだからな」
「じゃ、もう一回キスしてください」
「もう一回でいいんだ?」
「嘘です、朝まで。たくさん」

 私が言って微笑むと、そのまま大量のキスが降ってきた。
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