一途な御曹司は溺愛本能のままに、お見合い妻を甘く攻めて逃がさない

 ホテルについて指定された料亭の個室にに入る前、もう一度ため息をついた私に、父が突然、「すまない、沙穂。事情が変わって……」と呟く。

 え? と思ったときには、私の手は引き戸を開けていて、中には、写真と同じ……

 そう、それは見合いの写真なんかではなく、私のスマホに入っているあの写真と同じ人物がそこにいたのだ。

「はじめまし……て?」
「やぁ」

―――そこにいたのは、氷室鷹也さんだった。

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