一途な御曹司は溺愛本能のままに、お見合い妻を甘く攻めて逃がさない

「鷹也さんのバカ力!」
「ハハ、沙穂はすぐ怒る」

 鷹也さんは目を細めて楽しそうに笑っていた。


(やっぱり笑ってる顔が一番好き)

 そう思って見惚れてしまう。大好き過ぎて胸が痛い。
 鷹也さんが黙り込んだ私に気づき、首を傾げる。

「どうした?」
「キス、したいです」

 ぽろりと私が言ってしまうと、鷹也さんはとろりとあまい目をして私を見つめた後、そっと私の唇にキスを落とす。

「んっ」
「もっとする?」

 そう問われると小さな間も持たせずに、こくん、と頷いてしまう。
 鷹也さんが目を細めて、「かわいすぎ」と呟くと、次は濃いキスをされた。

 唇を離して目を合わせられると、なんだか恥ずかしくなって目線を反らせる。

(だって、かっこよすぎて……)

 ドキドキしすぎて心臓に悪い。

 鷹也さんは私の髪を撫でると、
「またすぐ赤くなって、それもかわいいんだけど」
と髪を一束持って口づけた。

< 50 / 108 >

この作品をシェア

pagetop