second love secret room クールな同僚医師の彼に溺れる女神:奥野医師&橘医師特別編完結


カーテンも閉めないままふたりで恭の寝室内にあるダブルベッドに潜り込んだ今夜。
窓は閉まっているものの、ひんやりとした空気がサッシの隙間から入ってきているような感じがする。

そのせいで相変わらずエアコンの音が激しく響いているこの寝室。
それでもダブルベッドの中でお互いに裸のまま抱き合うことで温かくなっているあたし達。
その温かさのせいでふたりとも微睡(まどろ)んでいる。


こうやって微睡むちょっと前のあたしはいうと・・・
ふたりでひとつになる快感を手放してからも、背中にこれでもかというぐらい気持ちいいたくさんのキスを落としてくる恭のせいで、いつものセックスの後の自分とは異なる状況になった


いつもの・・・好きでもない相手とのセックス後のあたし
その相手に甘い後戯なんか一切期待しないから、さっさとベッドから抜け出しシャワーすら浴びずに自宅へ帰っていた
そんな相手と同じ空間にいつまでもいると、カラダは満たされてもココロは一切満たされていないことにガッカリして嫌悪感にまで襲われるから


「雅はあったかいな・・・」


でも、恭とのセックスの後である今
恭はあたしの背中へのキスの嵐だけで終わらずにハグのおまけ付き
彼の甘い後戯にカラダだけではなくココロも満たされている
自分が女性として生まれてきたことを感謝できるなんて自分でも驚いてしまう


『・・恭もだよ。』

「温かすぎて、起きるの面倒くさいな・・・でも、まだ朝じゃないからいいか・・・」


恭の言う通り、カーテンが閉まっていない窓の外は暗く、時計に目をやらなくてもまだ朝を迎えていないことがわかる。

でも、午前0時を跨げば、1月2日
あたしも、恭こと橘クンも朝から仕事の予定が入っている
彼とふたりきりで過ごすことになった初詣もさすがにもう終わらなきゃいけない



「ここが・・無人島・・だったら・・な・・・」

『・・・無人島?』

「ああ・・・雅と・・・ふたり・・きりで、ずっと・・・一緒に・・・」

『あたしと一緒・・に?』


あたしをふんわりと抱きしめながら、あたしの頭の上に顎をのせてそうつぶやき始めた恭。
普段の橘クンはそんな少年みたいは言わなさそうなのに。


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