second love secret room クールな同僚医師の彼に溺れる女神:奥野医師&橘医師特別編完結
【Okuno last side : second love secret room】
【Okuno last side : second love secret room】
『12時半・・・か・・・』
あたしは寺川部長と約束の昼休みに、彼から指定された病院屋上に立つ。
天気は快晴。
こんな天気がいいなら、温かい格好でベンチに座ってお弁当でも食べたいくらい
でも今から寺川部長と話すことはこんな天気にはふさわしくない内容
それは
“患者さんを守るために、寺川部長との元の不倫関係を取り戻す”
という内容
改めて言葉にすると、あたしは医師としての実力のなさを痛感せずにはいられない
本当に実力のある医師なら、臨床という場所で問題解決をする
臨床ではない、プライベートな場所で問題解決をしようとするあたしはやっぱり実力がないということ
もちろん臨床上で問題解決できるように努力しようと考えた
でも、解決できなかった
情けないし、悔しい
でも患者さんを救いたいという想いがあたしの中では一番
「恋愛よりも仕事って・・・あたしは日詠クンにも言ったじゃない・・・」
大学時代から想いを寄せていた日詠クン
彼への片想いがあたしにとって一番目の本当の恋
それをひた隠しにしながら、その相手に恋愛よりも仕事って自ら宣言してしまったあたしはおそらく恋には縁がない
きっとこれからもそう
だから、今、あたしはここに立っている
「奥野クン・・・・いや、雅、待たせたな。」
寺川心療内科部長と再び向き合うために
「話って・・・予想はつくけどな。」
『ええ・・・ご想像の通りかと。』
あたしが彼との関係を拒むだけの医師の実力がないことを知っている彼は余裕の表情。
「男は消し去ったか?・・・俺と片手間で付き合う気はないだろうな?」
『あたしには付き合っている男はいません。』
「いいね、その言い切れる感じ。俺は雅が俺じゃない男とキスしているところを見て、雅のことが惜しくなっちゃったんだよね・・・しかも、キスの相手が病院イチのモテ男で。」