second love secret room クールな同僚医師の彼に溺れる女神:奥野医師&橘医師特別編完結
そう言いながらあたしの頬を手に取り、ニヤリと笑みを浮かべる彼。
橘クンとキスしていたところ
見られていたんだ
『何かの見間違いなんじゃ・・・病院イチのモテ男があたしなんか相手しませんよ。』
でも、それも寺川部長と再び付き合い始めれば相殺されるはず
これでいいんだ
あたしの恋なんて
最初から実らない
そんなことは百も承知
恭があたしにかけてくれたおまじない
・・・みやびはもう・・・他の誰のものにも・・ならない・・・
・・・みやびは・・・2番目の恋が・・・絶対に・・・最後の恋・・・になる
それらのどちらも、現実にはならない
恋をすることを諦めようとしている今のあたしが想い浮かべたのは
長年、スキという感情を密やかに想い続けた相手だった日詠クンではなく
あたしに優しさ溢れるおまじないをかけてくれた恭だった。
今頃になってあたしは
自分のココロの中で1番目の恋が終わっていて
2番目の恋がしっかりと居座っていることを気がついた。
こんな土壇場でもその恋が頭を過ってしまうぐらいの存在感だなんて・・・・
『・・・・きょう・・・・』
「今日?今日がどうした?」
あたしがうっかり口に出したのは
寺川部長が問い質してきた“今日”ではない
『・・・・だから・・・・』
「雅?どうした?」
でもあたしは、どうしても、“今日”を用いた機転の利いた返答が出てこない。
多分、心を感じ取るプロの寺川部長に気が付かれた。
あたしは心の中に忘れられない男がまだ居座っていることを。
『あたしは・・・』
「彼女の言う、“きょう”は、ただの“今日”ではないですよ。」
相変わらず言葉が出てこないあたしに助け舟を出すような声。
その声に苦しくなった。
自分でもまた間違ったことをしていることを知られてしまったから。
その声を紡いだのは
「彼女の言う、“きょう”は彼女を幸せな未来へ導く“恭”」
「どういう意味だ、橘。」
寺川部長が明らかに警戒感を示していた橘クン本人だった。