second love secret room クールな同僚医師の彼に溺れる女神:奥野医師&橘医師特別編完結



「まずは今田さんへの検査結果についての説明ですね。」

『・・・そう。ちょっと・・じゃなくてかなり不安。』

「俺が、そして、周産期センターの新しい仲間もいます。全力で支えます。今田さんも、あなたも。」

『承知致しました。橘周産期センター長!』


共に、妊婦さん・産婦さんそして生まれてきた赤ちゃんの守り抜く新しい道をあたし達は歩む。
目の前に居てくれる彼と共に。


よし、やるぞ!とやる気が漲(みなぎ)り始めたあたしの前で
彼はなぜか笑っている。
意味深な笑顔で。


「あ~、言い忘れていましたけど、周産期センター長はもうひとりいるんです。新生児部門の長は俺ですけど・・・」

『ふ~ん、そうなんだ。じゃあ、橘クンも安心だね!』

「安心ですよ。だって産婦人科部門の長は奥野さんですから。」

『は?聞いてないし!』

「それも俺がセンター長を引き受けた条件のひとつですから。院長も即決でした。日詠教授夫妻も喜んでいました。伶菜さんの命を救ってくれたドクターなら安心できるって。」

『・・・そこまで言われるなら・・・』


突然の、予想外の昇格人事に驚いたけれど光栄に思う
自分が大切にしたい産婦人科領域の患者さん達のココロのケアができるような環境を創るという夢に向かって、橘クンと共に歩むことができること
そして
自分が誰かに頼りにされていることも


「雅・・・」
  

さっきは意味深な笑みを浮かべていた彼が
今度はなぜか照れ臭そうな顔を浮かべている。
今度は何を言い出すんだろうなんて思わずにはいられない。


『恭・・・まだ、何か業務の新しい情報とかあるの?』

「業務じゃなくて・・・」

『じゃあ、何?』


どこか歯切れの良くない彼を急かしたあたし。
彼はひとつ、うんと頷いてからあたしをまっすぐに見つめ、ようやく口を開いた。


「・・・いつか一緒に隣を歩んでいきたいという学生時代からの俺の長年の夢を叶えてくれてありがとう。」

『学生時代から・・・?!嘘!!!そんな前からあたしのことを?』

「学生時代、俺にとって雅は高嶺の花である女神で、遠くからただ見つめているだけの存在だったから・・だから俺の夢は叶う。今度は雅が夢を叶える番だ。」

『恭の夢、叶うんだ・・・あたしの夢も叶えていいんだ・・・』

「ああ、一緒に。」


共に、ようやく1本になった幸せな未来への道、そして夢を叶える道を
彼とともにあたしは歩み始めた。












【second love secret room クールな同僚医師の彼に溺れる女神:完結】

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