second love secret room クールな同僚医師の彼に溺れる女神:奥野医師&橘医師特別編完結
「・・・私に・・・ですか?」
『ええ・・日詠先生に・・・』
「どのようなことで」
《ナオフミくん、カンファレンスの時間!!!ちょっと、伶菜ちゃんにこそこそ電話してるんじゃないわよ!!!勤務中!≫
《福本さん、違いますからお静かに・・》
電話途中に電話の奥のほうから、女性が怒鳴っている声がしている。
神の手を持つドクターと評判のこの男をナオフミくん呼びした上で、説教する人がいるなんて正直驚く。
「すみません。今からカンファレンスみたいなので、橘先生が宜しければ、お時間が許す時にでもお会いしませんか?」
『えっ?日詠先生、お忙しいのでは?』
「いえ、最近では奥野さんが育てて下さった後輩達が充分戦力になってきているので、私にも少し余裕が出てきているんです。」
奥野先生が育てた後輩が戦力になっているという彼の言葉。
それから、彼が彼女のことをリスペクトしていることを感じるのと同時に、なぜそれを俺に言う?というモヤモヤした気持ちまでもたらされる。
2番目でもいいから、彼女の恋の相手になりたい俺
彼女の1番目の恋の相手であろう彼のその言葉に“彼女に愛された男の余裕?”とまで思ってしまう俺の心の狭さも情けなく思えて仕方がない
でも、今の俺はそんな小さなことに構っている暇なんてないはずだ
『そうおっしゃって頂けると嬉しいです。では、お約束させて頂いても宜しいですか?』
「もちろん。喜んで。あっ、すみません、先を急ぐので、お約束のお日にちはうちの秘書と相談して頂いても宜しいでしょうか?」
『お忙しい中申し訳ありませんでした。それではまた後日、宜しくお願い致します。』
「承知いたしました。それでは失礼致します。」
俺は彼のご厚意に甘えて、彼と直接会って相談する約束を取り付けた。