恋と旧懐~兎な彼と私~
「そうか,愛深は弘ちゃんも知ってるのか」

「友達です。暁くんも」



弘をちゃん付けする矢島さんは,たぶん2人を小さい頃から知っているんだと思った。

質問に答えながら,先ほど出来なかった訂正もいれる。

ベーグルはすごく美味しい。



「友達? 付き合ってんじゃないの? クリスマスにデートしてるのに?」

「……付き合ってない」



矢島さんは今度は暁くんに質問する。



「あっあの,暁くんは誘ったらたまたま来てくれただけで……」

「たまたま? お前そんな人間じゃ……あー,そういうこと。いいなぁ若いって」

「うるさい。おっさんが女の子と出掛けたがってたって奥さんに言うよ」

「おまっそんな意味じゃねぇよ。ふざけんな分かってんだろ」



矢島さんは意外に,奥さんの尻にしかれてるタイプなのかもしれないと思った。
< 95 / 161 >

この作品をシェア

pagetop