お嬢様の恋 ~秘書兼護衛係はお嬢様への一途な想いを隠せない~
黙っていても、いつかはわかる。
そして、何よりも咲が一番知りたがっている。

「落ち着いて聞いてほしい。咲も重症なんだ。」
「私・・・?」
「遠藤課長が咲の腹部も刺したんだ。処置が早かったのと、刺された場所が悪くはなかったから、傷もふさがって、リハビリすれば元通りになる。お腹には傷が残るけど、命には別条はない。」
「真岸さんは?」
自分の事よりも真岸や社員の心配をする咲にこれから告げなくてはならない事実に、玲は胸が痛む。

「遠藤課長は咲と、真岸さんと、営業一課の古川次長を刺した。そのあと自分のことも。」
咲の手が震えていることに気づいた玲が咲に確認をする。
「大丈夫か?」
「教えて。」
咲は一刻も早く事実を知りたいと、玲の言葉を遮って、話の続きを教えてほしいと願った。
「咲は重症だ。命に別状はなくても、しばらくは絶対安静だ。そのあと、リハビリをしないと、歩けないかもしれない。当分は車いす生活になるだろうって言われてる。」
玲は話の続きをするために大きく深呼吸をする。
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