俺の気持ちに気づけよ、バーカ!
「たっぷり体を
休めておかないと、
明日グラウンドで
倒れちゃうからダメ!」
ついつい、母親並みの小言が
口からポロリ。
亮くんは
納得がいかないらしい。
「この一週間
俺が悔しい思いをしてたの
知ってるくせに!」
両手をブンブン振って
ゲームやらせろ!アピールが
止まらない。
先週末。
桜ちゃんが
我が家に泊りに来た時
格闘ゲームで、ボコボコに
されたって話しでしょ?
「俺さ、コンボ研磨して
コマンド入力で必殺技を……」
ああ~~~。
ゲーム用語。
意味不明。
理解無理ぃぃ~。
「コンボとかコマンドとか言われても、
私にはわかんないから」
「姉ちゃんも
格ゲーやればいいじゃん」
うっ……そう来たかぁ。
「私は、やりません」
亮くんの目をきっちり見つめ
はっきりと拒否。
ゲームに時間を使っている
暇なんて、私には無い。
家事、学校、バイト、家事。
この繰り返しで、
あっという間に
一日が終わっちゃうんだからね。