俺の気持ちに気づけよ、バ~カ!


☆璃奈side☆


桜ちゃんと付き合いだして
4か月が過ぎました。

女子高の制服は
タンスで永眠中。

私は毎日
カフェの制服に身を包み
正社員として働いています。


今朝も早起きをして
4人分の朝ご飯を
テーブルの上に並べ

料理番組の芸能人並みに
紺色のエプロンを
優雅に着こなす桜ちゃんに
私は手を合わせた。


「桜ちゃん、お願い。
 亮くんと優くんを
 起こしてきて」

「もう、こんな時間かよ。
 あいつら自分たちで起きるって
 昨日、目覚ましを
 セットしてたよな?」

「亮くんってすごいんだよ」

「何が?」

「目覚まし時計が鳴る5分前に
 起きられるように
 なったんだって」


「成長だよね~」と
 パチパチ拍手を追加した私。

食器棚から
4人分の箸を取り出す
桜ちゃんの手が止まった。

瞳をあきれ色に染め
私に突き刺してくる。

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