騎士様と合コンして狙い撃ちしたら、まさかの恋仲になれちゃいました。もう離れたくないと縋るので可愛すぎてしんどい。
「頭に入ってなかったかもしれないから、もう一回だけ言ってあげる。よく聞きなさい。先方は騎士学校卒業して正騎士になり入団から、三ヶ月経ったばかりの新人騎士様たち。合コンの参加自体は、初めて。もちろんこういう出会いの場に来るってことは恋人募集中で、今回お姉ちゃんの友達が付き合っている先輩騎士からの紹介。その人の話ではとっても優秀な新人三人組で、精鋭揃いの銀狼騎士団の中でも有望株って言われているらしいわよ……これでもう、言わないからね」

 ルイーズが戯けてそう言うと、私のおでこを指でツンと軽く押した。

 確かに二週間程前に今夜の開催予定が決まってからというものの、幹事のルイーズに何度も聞いてしまい、その度に何度も繰り返し言ってくれた大事な情報ではある。

 けれど、何度でも聞きたかった。

 今自分がある状況を、何度でも確認したい。都合の良い妄想を繰り広げている夢の中かもしれないから。私のような平凡な町娘にとって、皆の憧れの騎士様と出会うチャンスなんて、そうそう有り得ない。

 それは、何故か。その答えは、とても簡単。
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