【コミカライズ】騎士様と合コンして狙い撃ちしたら、まさかの恋仲になれちゃいました。もう離れたくないと縋るので可愛すぎてしんどい。
 シャーロックは、自分を選ばなかった私を許さないだろうか。自然に頬に涙が伝い、それを見たお祖父様は私に歩み寄り肩を抱いた。

 私は自分にとって大事な彼ら二人を天秤にかけて、選んだ訳じゃない。不器用で孤独だったお祖父様から、生き甲斐となる商会を自分のせいで取り上げたくはなかった。

 これは、裏切りになるんだろうか。あんなに、純粋に私の事をただ愛してくれる人を、捨てる決断をしたことは。

 どうか、意気地なしの私を許さないで。

 ブレアさんには「要求を呑むけれど前々から約束している旅行があって、彼と別れるのは、それまでは待って欲しい」とそれだけをお願いした。彼女はそれを聞き見て取れるほどに不機嫌な表情にはなったものの「旅行から帰って、すぐに他の男性との結婚式をするなら良いわ」と伝えた。

 私はそれに頷き、それを無言で見ていたお祖父様は、ブレアさんが去ってしまってから、大きな声をあげ床に手をついて嘆くようにして泣いた。私は彼が泣いているのを、生まれて初めて見た。

 もう何も言えなくて、使用人たちにお祖父様の事をくれぐれもよろしくと言い残してから、そのままふらふらと歩いて帰宅した。
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