【コミカライズ】騎士様と合コンして狙い撃ちしたら、まさかの恋仲になれちゃいました。もう離れたくないと縋るので可愛すぎてしんどい。
 他でもないシャーロックが、私を助けてくれたら良いのにって。けれど、私から今自分が居る窮地を明かすことは出来ない。それを知ればブレアさんは、容赦なくお祖父様の商会を潰すために方々から手を回すはずだ。

 だから、何も言えなかった。

「……じゃあ、行こっか。美味しい料理屋さん、あの通りにあるらしいよ」

 本日泊まる宿の人から聞いていた情報で、おすすめのお店を聞いていた。シャーロックは気を取り直すように優しく微笑みつつ、大きな手で私の手を包み込んだ。

 今まで知らなかったけれど恋は信じられないほどの幸せを人に与える代わりに、胸を抉られるようなひどい痛みを与えることもある。

 私は、まだ幸せなのかもしれない。これはどうしようもない理由なんかじゃない。シャーロックの心変わりでもなんでもなく、別れる理由はただ私の家族の事情でしかない。

「あ。見て、鳥が飛んだ」

 彼が指差したその先から、白い鳥が教会の屋根から飛び立った。何故か私は、その鳥に大好きな彼から離れていく自分の姿を見たような、そんな気がした。
< 210 / 261 >

この作品をシェア

pagetop