【コミカライズ】騎士様と合コンして狙い撃ちしたら、まさかの恋仲になれちゃいました。もう離れたくないと縋るので可愛すぎてしんどい。
 今思えばシャーロックには何も悟られないように、手紙を書いて彼の住んでいる王都から去っていれば良かったのだと思う。そうすれば、探しても見つからない少しの間付き合った女の子なんて、すぐに忘れてしまうはず。

 だって。どう考えても、円満に別れるなんて無理だ。私は彼がとても好きで、絶対に別れたくなくて。それなのに、別れる事を選んだことになる。

 そして、帰ってしまえば、彼ではない別の人との結婚式が待っている。それは、既に決まっていることだ。

「……私も……」

 泣き疲れた私は、いつの間にか意識を失って眠ってしまった。その夜ずっとシャーロックは、辛そうだった。付き合ってからずっとこんなに大事にしている恋人が、自分には何も言わずに泣いているのだから。それは当たり前の事だけど。

 明け方近くの薄闇の中で、ふと目を開ければ隣に寝ていたシャーロックも、泣いていたのかもしれない。頬に涙の跡があったから。

 彼を起こさないようにと、声を押し殺してまた泣いた。

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