私は今日も、虚構(キミ)に叶わぬ恋をする。
「深月、大丈夫!?」


優星くんとともに教室に入ると、慌てて陽菜が駆け寄ってきた。


「うん、メッセージありがとう」

「いいよぉ、そんなの! 体調は大丈夫なの?」

「大丈夫。1日寝たら元気出た」

「でも、いつもより顔色悪いよ。
あんまり無理しちゃダメだよ?」

「うん。気をつける」


私は精一杯の笑みを作った。

陽菜は、私の隣にいる優星くんを向くと、


「久我山くん、もしかして深月と一緒にきたの?」

「うん。……心配で、家まで押しかけちゃった」

「やるじゃん。見直したよ!
でも、深月の住所なんて、よく知ってたね」

「昨日、佐原先生に聞いておいたんだ。
何日も休みが続くようなら様子を見に行こうと思って」

「なるほど〜。用意周到だね。
うん、それでこそ深月の彼氏!」


陽菜は力強く優星くんの肩を叩いた。


『深月のこと、頼んだよ?』という陽菜の言葉に、優星くんが頷く。

心配してくれる2人のためにも、早く元気を取り戻さなきゃ。


……そう思っていたのだけれど。


「────ねぇ、この《ヤミノツキ》って、アンタでしょ」


宝城先輩はそう言って、私にスマホの画面を見せた。

そこに映し出されていたのは、紛れもなく私のサイト、『〜eternal garden〜』だった。
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