私は今日も、虚構(キミ)に叶わぬ恋をする。
「先輩たちの言ってること、正直よくわからないですけど、深月はそんな変な小説書いたりする子じゃないです!

漫画のキャラとの妄想小説? 
そんなの書いてるなんて、深月、一言もアタシに言ったことないし!」


私を庇ってくれている陽菜の言葉が、辛い。

違う。

先輩たちの言ってることは、全部本当のことなのに。


「深月は、勉強も運動も何でもできて、すごくいい子で、先生からも好かれてて、アタシの憧れなんです!

そんないい加減なこと言わないでください!」


陽菜は、宝城先輩に真っ向から立ち向かっていた。


「先輩がそう来るなら、アタシにだって考えがあります。
深月に変な言いがかり付けたこと、みんなに言います!
後輩をいびったなんて噂が立ったら、先輩のフォロワー、激減ですよ?」

「……っ」


陽菜の言葉に、宝城先輩は少し動揺したようだった。

しかし。


「……だって、許せないもの」

「え?」

「私、光峰だけは、何があっても絶対に許さないから」


宝城先輩に強く睨まれ、私は思わず目を逸らしてしまった。

……どうして?

私が優星くんと付き合っていることが、そんなに気に食わないのだろうか。

でも、だからって、ここまでやらなくても。



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