私は今日も、虚構（キミ）に叶わぬ恋をする。
《まひるん》さんからは数え切れないほど感想や応援のメッセージをもらってきたが、面と向かって《真昼ちゃん》に言われるのは、それ以上に心が揺さぶられて。

こんな素敵な言葉を、私なんかがいただいていいんだろうかと、ちょっと泣きそうになった。


「……ありがとう」

「お礼なんて要らないです！　思ったことを思ったまま、言っただけですから！」


特上の笑顔になった真昼ちゃんに、つられて笑みが溢れる。

気づけばお互い手に手を取っていた。


「真昼ちゃん！『エレアル』って……烈華様って最高だよね！
もし『エレアル』が無かったら、私、こうして真昼ちゃんと出会うこともなかったもん！」

「えぇ！　最高ですとも！　深月さん！」


まるで、前世からの友に幾世紀を越えて巡り会えたかのように、私たちは瞳を輝かせた。

が、そんな時間は、長くは続かなかった。


「お客様、失礼ですが……他のお客様のご迷惑になりますので、もう少し声のボリュームを落としていただけますか？」


私と真昼ちゃんが我に帰ると、カフェ中のお客さんと店員さんが、私たちのことを見ていた。


カフェのお客さんや店員さんたちの視線が、私たち3人に集中していた。

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