優しくない同期の甘いささやき
顔を上げると、頬をほんのり赤くする彼の顔があった。
近づきすぎた……。
「わわっ、ごめん! うわっ……」
「おい、あぶなっ!」
慌てて後ずさった私は、椅子から落ちそうになる。
祥太郎が素早く私を支えたので、落ちはしなかった。
うん、落ちなかった。
とても助かったのだけど、この体勢は……。
爽やかなシトラスの香りの中に、微かな汗の匂いがまじるのがわかるくらいの距離に彼はいた。
私が落ちないように抱えていたのだった。至近距離で視線を合わせて、お互いハッとなった。
何度も確認するが、ここは会社だ。
人の目がたくさんある会社である。
「おお、仲良しだな。だけどな、イチャイチャするのは控えめにしとけよ」
後ろを通りかかったWeb課の課長に言われて、私たちはササッと離れた。
いけない、いけない。
元の位置に戻った祥太郎は、紙コップを持つ。
「で、なにしようとしたんだ?」
「汗臭いのかなと思って」
「は? まさか匂いを嗅ごうと?」
「うん、ごめんね」
私は苦笑して、肩をすくめた。祥太郎は口もとを緩めて「バーカ」と言った。
近づきすぎた……。
「わわっ、ごめん! うわっ……」
「おい、あぶなっ!」
慌てて後ずさった私は、椅子から落ちそうになる。
祥太郎が素早く私を支えたので、落ちはしなかった。
うん、落ちなかった。
とても助かったのだけど、この体勢は……。
爽やかなシトラスの香りの中に、微かな汗の匂いがまじるのがわかるくらいの距離に彼はいた。
私が落ちないように抱えていたのだった。至近距離で視線を合わせて、お互いハッとなった。
何度も確認するが、ここは会社だ。
人の目がたくさんある会社である。
「おお、仲良しだな。だけどな、イチャイチャするのは控えめにしとけよ」
後ろを通りかかったWeb課の課長に言われて、私たちはササッと離れた。
いけない、いけない。
元の位置に戻った祥太郎は、紙コップを持つ。
「で、なにしようとしたんだ?」
「汗臭いのかなと思って」
「は? まさか匂いを嗅ごうと?」
「うん、ごめんね」
私は苦笑して、肩をすくめた。祥太郎は口もとを緩めて「バーカ」と言った。