500文字恋愛小説
№11 おせち
「おせち作るの、面倒くさーい!」

田作りとか好きじゃないし?
煮物とか誰が食べるんだ?
今回は完璧なおせちを作って彼を驚かせる!とか思い、張り切って立派なお重を買った自分を呪った。

「あ、でも、ローストビーフとかでもいいんだ……」

それなら材料費は気になるが、いけるかも? 

いまさらながらネットをさまよい、彼が好きそうなメニューを探す。
ローストビーフ、手作りハム、チャーシュー。
エビはエビフライでもいいかな?
当日詰めでサーモンのカルパッチョ。
揚げ物するならついでに彼の好きな唐揚げを入れてもいい。

「よし!」

買い出しメモを片手に家を出る。
おせちらしくないおせちになるが、食べないものばかりよりよっぽどいい。
それに、彼の好きなものばかりにしたからきっと、喜んでくれるはず。

「頑張って作るぞー!」

明後日の彼の顔が楽しみだ。
< 11 / 103 >

この作品をシェア

pagetop