500文字恋愛小説
№67 信号待ち
プッ。

信号待ち。
後ろの車からクラクションを鳴らされた。

……私なにか、やったっけ?

そんなことを考えてたら携帯が鳴った。

「はい」

『うしろ、うしろ』
 
一体なんのこと、そう思いつつ振り返ると、後ろの車で幼馴染みの彼が手を振っていた。

『なにやってんの?
買い物?』

「うん、そう。
……あ、信号変わるから。
またね」
 
慌ただしく携帯を切り、青になった信号に車を発進させる。
次の信号停車でまた電話が掛かってきた。

『なあなあ。
ついていっていい?
というかついてきた』

「は?」

『だって久しぶりに、おまえと話したい』
 
振り返るとまた、彼は手を振っている。

「いいよ」

『やったー』
 
目的に着くまで私は、ご機嫌にハンドルを握っていた。
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