500文字恋愛小説
№71 30点
初めての彼――先生とドライブ。
もう卒業したから、誰に気兼ねすることもない。

「もしかして、緊張してる?」

「えっ、あっ、ううん!」
 
……嘘です。
滅茶苦茶緊張してます。
なに、話していいのかわかりません!

だっていままで、ずっと教師と生徒で。
学校で話すことがほとんどで。
こんな風にふたりっきりとかなったことないんだもん!

熱い顔で俯き気味に黙ってたら、先生にくすりと笑われた。

「先生、眼鏡かけたりするんですね」

「ああ。
ちょっとだけ、目が悪いから」

「そう、なんだ」

「というか、もう先生はないだろ?」

「あ、えっと、その、あの」

「ん?」
 
いたずらっ子のように先生が笑う。

「ミ、……ミノル、……さん」

「三十点」
 
精一杯頑張ったのに、その点数ですか!?
でも、私のあたまを撫でる先生の手は凄く嬉しそうだった。
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