8度目の人生、嫌われていたはずの王太子殿下の溺愛ルートにはまりました~お飾り側妃なのでどうぞお構いなく~2
今になればわかるが、オスニエルは個人として対峙した人間には案外優しい。迷惑な行動もある程度ならば許容してくれるし、理にかなっていると思えば協力も惜しまない。
ただ、認識する前は、【群衆】の一部でしかないのだろう。こうなるとオスニエルにとって物と同義の扱いになる。チェスのコマのように、利用できるものはし、いらなければ排除するのだ。
彼が結婚前に、女性と深く付き合わなかったのは、単純に情をかける相手を増やしたくないからだろう。陰謀うごめく王侯貴族。良家の娘の楚々たるたたずまいの裏には、どんな親の思惑が隠れているのか分かったものではない。そして、それに神経を注げるほど、当時のオスニエルは余裕がなかった。
戦争による国力増強。父王の掲げたその目的を達成するために躍起になっていた。
思えばあの頃、オスニエルは必死だったのだろう。王太子として、父の望みを果たすために。
今でこそ対立しているときもあるが、この大国を率い、大きくしていった父王は、オスニエルには憧れで、追い越したい存在だったのだ。
唯一反抗していたのが、妻をめとることだけで、それも年齢的に逃げ切れなくなっていた。
他国の姫を側妃として娶ることは、彼のプライド的にはあり得ないことであり、まして妻はひとりだけにしたいと考えていた彼には、排除したくてたまらないものだったのだ。
だからこその、フィオナ暗殺計画だったのだろう。
ただ、認識する前は、【群衆】の一部でしかないのだろう。こうなるとオスニエルにとって物と同義の扱いになる。チェスのコマのように、利用できるものはし、いらなければ排除するのだ。
彼が結婚前に、女性と深く付き合わなかったのは、単純に情をかける相手を増やしたくないからだろう。陰謀うごめく王侯貴族。良家の娘の楚々たるたたずまいの裏には、どんな親の思惑が隠れているのか分かったものではない。そして、それに神経を注げるほど、当時のオスニエルは余裕がなかった。
戦争による国力増強。父王の掲げたその目的を達成するために躍起になっていた。
思えばあの頃、オスニエルは必死だったのだろう。王太子として、父の望みを果たすために。
今でこそ対立しているときもあるが、この大国を率い、大きくしていった父王は、オスニエルには憧れで、追い越したい存在だったのだ。
唯一反抗していたのが、妻をめとることだけで、それも年齢的に逃げ切れなくなっていた。
他国の姫を側妃として娶ることは、彼のプライド的にはあり得ないことであり、まして妻はひとりだけにしたいと考えていた彼には、排除したくてたまらないものだったのだ。
だからこその、フィオナ暗殺計画だったのだろう。