王子の盲愛
「え?」
「高校一年生の時に、付き合ってた人がいたの。
その人、初めての彼で…その……」
ベッドのヘッドボードに並んで寄りかかり、理世の頭を王弥が撫でていた。
理世は少し俯き、ゆっくり話し始めた。
「てことは“全部”初めてが、そいつなんだ…」
「うん……」
「そっか。なんか、嫉妬しちゃう……理世の初めて、僕が良かったなぁー」
「あ、ごめんね…こんな話、嫌だよね……」
王弥を見上げる、理世。
申し訳なさそうに、眉を下げた。
「ううん。大丈夫!
ごめんね、続き聞かせて?」
王弥は再度、ゆっくり頭を撫でる。
「私、初めてのことだったから、浮かれてて……
でも、彼に……突然振られたの。
しかも…抱かれた後の事だったから、私、ショックで……5日くらい寝込んだの……」
「酷いな…」
「…………だからね…こ、怖くて……次、振られたら私…どうなっちゃうのかなって……
もちろん、王弥くんのことを信じてないとかじゃないよ?でももう…あんな思いしたくないから……」
その時のことを、思い出した理世。
身体を震わせ、目が潤み出す。
すると、フワッと温かい物で包み込まれた。
「僕こそ、ごめんね…こんな辛い話思い出させて……
大丈夫…大丈夫だよ…!
僕は、絶対放れない!誓えるよ?
………って言っても、口では何とでも言えるもんね!
だから、これからを見てて?」
理世も王弥にしがみつくように顔を埋めた。
「理世ちゃん、大丈夫だからね……!」
王弥は、ゆっくり理世の背中を撫でた。
「王弥くんの匂い……なんか、安心する…」
「そう?じゃあ…いっぱいクンクンしていいよ(笑)」
「フフ…私、変人みたい(笑)」
「僕も、クンクンするから(笑)」
「フッ…!!ハハハッ!!!可笑しいー!
私達、変人夫婦だ!」
王弥の言葉に、理世が噴き出した。
「うん、理世ちゃんと一緒なら、何でもいいよ!」
(こんなに穏やかで、幸せな気分は久しぶりだなぁ)
微笑む王弥を見て、理世も今までにあじわったことない感情に包まれていた。
(この人となら、幸せになれるかも?)
と、思うようになっていた。
それから、二人はデートに出掛けていた。
少し歩いた所にある、大きな公園に向かった。
王弥は相変わらず過保護で、朝ごはんもほとんど王弥が作り、マンションを出ても“危ないから”と手をしっかり握られ“いい?僕から離れちゃダメだよ?”と言い聞かせられた。
「理世ちゃん、ちゃんと日焼け止め塗ったよね?」
「もちろん!日傘もばっちり!
はい!王弥くんもちゃんと入ってね!
この日傘、大きめだから」
そう言って、王弥の頭の上に日傘をさした。
「高校一年生の時に、付き合ってた人がいたの。
その人、初めての彼で…その……」
ベッドのヘッドボードに並んで寄りかかり、理世の頭を王弥が撫でていた。
理世は少し俯き、ゆっくり話し始めた。
「てことは“全部”初めてが、そいつなんだ…」
「うん……」
「そっか。なんか、嫉妬しちゃう……理世の初めて、僕が良かったなぁー」
「あ、ごめんね…こんな話、嫌だよね……」
王弥を見上げる、理世。
申し訳なさそうに、眉を下げた。
「ううん。大丈夫!
ごめんね、続き聞かせて?」
王弥は再度、ゆっくり頭を撫でる。
「私、初めてのことだったから、浮かれてて……
でも、彼に……突然振られたの。
しかも…抱かれた後の事だったから、私、ショックで……5日くらい寝込んだの……」
「酷いな…」
「…………だからね…こ、怖くて……次、振られたら私…どうなっちゃうのかなって……
もちろん、王弥くんのことを信じてないとかじゃないよ?でももう…あんな思いしたくないから……」
その時のことを、思い出した理世。
身体を震わせ、目が潤み出す。
すると、フワッと温かい物で包み込まれた。
「僕こそ、ごめんね…こんな辛い話思い出させて……
大丈夫…大丈夫だよ…!
僕は、絶対放れない!誓えるよ?
………って言っても、口では何とでも言えるもんね!
だから、これからを見てて?」
理世も王弥にしがみつくように顔を埋めた。
「理世ちゃん、大丈夫だからね……!」
王弥は、ゆっくり理世の背中を撫でた。
「王弥くんの匂い……なんか、安心する…」
「そう?じゃあ…いっぱいクンクンしていいよ(笑)」
「フフ…私、変人みたい(笑)」
「僕も、クンクンするから(笑)」
「フッ…!!ハハハッ!!!可笑しいー!
私達、変人夫婦だ!」
王弥の言葉に、理世が噴き出した。
「うん、理世ちゃんと一緒なら、何でもいいよ!」
(こんなに穏やかで、幸せな気分は久しぶりだなぁ)
微笑む王弥を見て、理世も今までにあじわったことない感情に包まれていた。
(この人となら、幸せになれるかも?)
と、思うようになっていた。
それから、二人はデートに出掛けていた。
少し歩いた所にある、大きな公園に向かった。
王弥は相変わらず過保護で、朝ごはんもほとんど王弥が作り、マンションを出ても“危ないから”と手をしっかり握られ“いい?僕から離れちゃダメだよ?”と言い聞かせられた。
「理世ちゃん、ちゃんと日焼け止め塗ったよね?」
「もちろん!日傘もばっちり!
はい!王弥くんもちゃんと入ってね!
この日傘、大きめだから」
そう言って、王弥の頭の上に日傘をさした。