偶然から始まった恋の行方～敬と真理愛～
環さんの縫合準備をしているうちに空いている診察室を用意され、私と敬也と環さんのお子さんはそこに入った。

「少し脱水症状があるから点滴をしておこうね」
小児科医らしい男性が敬也の診察をしてくれて、血液検査と点滴の指示。

初めての点滴で大丈夫だろうかと心配しているうちに、すんなり点滴が入ったらしく敬也は泣くこともなく点滴につながれてしまった。

そう言えばおじさんも点滴がうまかったな。
点滴が嫌いな私でも、おじさんの点滴だけは泣かずにがんばれたっけ。

「では点滴が終わるころに来ます。何かあればナースコールしてください」
「はい、ありがとうございした」


それからはひたすら待つだけの時間。
敬也は点滴がはじまるとすぐに眠ってしまったし、環さんの子さんはご機嫌で一人遊びをしてくれていてまったく手はかからないけれど、待つ時間はとても長く感じた。
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