偶然から始まった恋の行方~敬と真理愛~
「お母さんもご心配でしょうが、子供のけいれん発作は事前に予測することができないんです。幸い発作も軽くて今は落ち着いているので、このまま様子を見てあげましょう」

かなり興奮状態のお母さんだったが、画像や検査データを交えきちんと説明すれば理解してくれた。

「初めからそんな風に言ってくださればよかったのに」
花見先生にはまだ文句を言いたそうだが、何とか怒りは治めてくれた。

「申し訳ありません」
それでもまだ頭を下げようとする花見先生。

「まずは入院して様子をみましょう。今は小児病棟の空きがないので今夜一晩は救急病棟に入院して、明日にでも小児病棟に移りましょう」
「はい」
「じゃあ、あとはお願いするね。花見先生、ちょっと来てくれる?」

お母さんに入院を告げ、近くの看護師に準備を頼んで、俺は花見先生を連れて病室を出た。
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