唯くん、大丈夫?〜小盛り編〜

「今、童貞って言った…?」

「うん。あらやだ怒った?とぅいまてーん」

謝る気ねーなこの人…


「なんでわかったの?」

「え、空気」

「…なんと…」


俺、童貞の空気出てんの…?


「…」


ショックを受けて固まってると、変態クソピアスがレジ横のクッキーを置いた。


「悪かったって。勉強しに来たんだろ、受験生。糖分とって頑張んな。」


えらくイケメンな笑顔でそう言って、頭をクシャッとされた。



…いい人。



大人しく受け取って店内奥の席に座ってドリンクに口をつける。


「…ウマ。」


なにこれ、うまい。

さっき促されるまま頼んだけど、どれ?

メニューの中から同じドリンクを探す。

あ、これか。…580円?

え?これ1番でかいサイズ?630円?

さっき俺350円しか払ってねーよな…

置いてあるクッキーにも目をやる。



…俺に気を遣わせないように、さりげなく安くしてくれたのか。




変態クソピアスは黙々とコーヒー豆の補充をしたり、ドリンクのカップを整理したりしてる。

ワイシャツを捲った裾からすらっと伸びる腕は細くて筋張ってる。

真面目な横顔が妙に大人っぽくセクシーに映った。





あー。



なんというか…



なに?この敗北感。



俺より少し身長あるし、

イケメンだしなんかエロいし紳士だし。

めちゃくちゃ女子が寄ってきそ…
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