あやかし戦記 千年前の涙
「ここは僕たちに任せて、イヅナは別の妖をお願い」

ギルベルトにゴーレムに奪われた薙刀を返してもらい、イヅナは頷く。そして、「ありがとうございました」と少し震えながら言うと、二人は顔をイヅナより赤くする。このような状況でなければ、レオナードが絶対にからかっていただろう。

「……僕の屋敷をめちゃくちゃにしたこと、そして僕の大事な人を傷付けようとしたこと、罪を償う覚悟ってできてる?」

イヅナが他の妖を倒しに走っていくと、ギルベルトから先ほどまであった甘い熱は消えてしまう。春から一気に冬に変わったかのような空気になり、ヴィンセントも負けじと気迫を出すのだった。

その頃、イヅナは比較的弱い妖を捕らえたり倒したりしながら走っていた。日頃の訓練のおかげ、そしてチェルシーたちがいるおかげなのか、百を超える妖が相手であってもみんな冷静に戦うことができている。

「オラァ!!そんな攻撃、アレス騎士団員のレオナード・ロマーナ様には当たらないからな!!」
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