追放された水の聖女は隣国で真の力に目覚める~世界を救えるのは正真正銘私だけです~
強い日差しを眩しく感じたが、目を瞑ったのは砂が原因。

ここは小さなオアシスなので、風が強まれば舞い上げられた砂漠の砂が入り込む。

(マントもマスクも置いてきちゃった……)

このまま砂漠地帯を移動するのはキツイと思ったら、突然風がピタリとやんだ。

(あれ? 砂が顔にあたらない)

モニカが目を開けると、「重くなったな」と地面に下ろされた。

(女性に向かって失礼よ)

その時、ナツメヤシの木陰から枯草色の軍服姿の青年が駆け寄ってきた。

四角い顔にツンツンとしたマロンブラウンの短髪、がっしりとした体格の青年で、シュナイザーの護衛と思われる。

「もう終わったの?」

「ああ。結果はこの通りだ」

「うまくいったってことだね」

モニカを見て頷いた彼がニコリとした。

皇帝と対等に話す護衛にモニカが面食らっていたら、後ろからも声がした。

「せっかちだな。退席の挨拶くらい自分でしてよ」

聖堂内から出てきたのは貴族風の青年だ。

柔和な面立ちに肩下までの赤茶の髪をひとつに束ね、白いブラウスの襟には大粒ルビーが輝いている。

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