追放された水の聖女は隣国で真の力に目覚める~世界を救えるのは正真正銘私だけです~
随分と焦ったので文句を言えば、モニカに視線を流したシュナイザーがニヤリとした。

「許せ」

それから彼は貴族たちに向け手のひらをかざし、拍手を静めた。

「皆の者、公爵とのいさかいに巻き込んですまなかった。嫌な気分を払うためにもダンスを再開しよう。月が城を照らしている間は存分に楽しんでくれ」

シュナイザーの合図でワルツが流れ出し、貴族たちがペアを組んで踊りだした。

食事をする者、歓談する者、何事もなかったかのようにすぐに賑やかさが戻ってきた。

「モニカ、踊ろう」

差し出された手にモニカは手を重ねようとして躊躇する。

「陛下は他の令嬢方とも踊らないといけないんですよね?」

「やきもちを焼いて拗ねているのか?」

「ちが――」

最初にモニカと三曲続けて踊った後に言われたことを思い出し、聞いたまでだ。

訂正しようとしたモニカだが、思い直して頷いた。

「そうです。あなたが他の女性と踊るのを見るのは悲しいわ」

正直に気持ちを伝えたら、目を大きくしたシュナイザーに手を強く握られ、引っ張り立たされた。

勢いあまってその胸に飛び込んでしまい、モニカは頬を染める。

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