追放された水の聖女は隣国で真の力に目覚める~世界を救えるのは正真正銘私だけです~
「結婚までにお前がやるべきことはふたつだけだ。ひとつは婚礼衣裳。仕立て屋がお前のもとを訪れるから協力するように」

「はい」

「もうひとつはバーヘリダムの作法や法律を覚えることだ。教師をつけよう」

(げっ)

モニカが露骨に嫌な顔をしたのは座学が苦手だからである。

ロストブの修練所にいた子供時代も、授業中なのに意識が窓の外に向いてしまい、度々教師に注意されていた。

ここでも勉強しなければいけないのかとうんざりしたが、それだけではないようだ。

「それと許可なく城から出るな。暇なら読書やレース編みでもして大人しく過ごせ。話は以上。下がっていいぞ」

不満顔のモニカが口を開きかけたが、「次」とシュナイザーが声を張り上げた。

廊下に控えていた使用人がドアを開け、護衛の兵士も戻ってきたため、モニカは渋々出ていく。

せめてもの抵抗として不遜と思われようとも一礼はせず、心の中で文句を言った。

(そんなの軟禁じゃない。ロストブと同じよ。せっかく自由になれたと思ったのに)

自室に戻ると、ナターシャがテーブルを拭いていた。

バケツやはたき、ほうきもあり掃除をしていたようだ。

< 28 / 283 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop