契約結婚のススメ
「専務、広報部長からイメージキャラクターの変更をしてもいいものかと聞かれましたので、問題ないと言っておきましたが」

「ああ。構わないぞ。広報はお前に任せるって言った通りだ。結論だけ報告くれればいい」

「柳美加の契約を切るわけですが、いいんですね」

「お前もしつこいな。好きにしろよ、話し合って決めたんだろ」

 ジーッと俺を睨む森下はいったいなにが言いたいんだ。

「ロスアンゼルス行きの飛行機が一緒だったのは、偶然だったと言うんですか。私は日本に戻ってから知りましたが」

「偶然に決まっているだろ」

 ん? もしかして。

「お前はどうやってそれを知ったんだ」

 成田で美加と会ったのは森下と別れた後だ。

 森下が知るはずがない。

「ネットのニュースです。専務の評判を調査するのも私の仕事ですから」

「その記事、見せてみろ」

 森下はスルスルとスマートホンの画面に指を滑らせる。

「こちらです」

 記事で美加のSNSに掲載された写真が紹介されていた。

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