クリスマスイブ🔔
「私、仕事が楽しいの。これ以上あなたに時間をとられたくない」
これは嘘。

大河が待っていてくれたから頑張ってこれた。
でも、これからは一人で頑張る。大河を自由にしてあげないといけないから。

「わかった。それが日彩の気持ちなんだな」
「・・・うん」

はじめて、大河の怒った顔を見た。
それはひどく冷徹な表情。
私は、捨てられたんだと感じた。

じゃあなと背中を向け、消えていく大河。

私は何度も声をかけそうになって、その声を必死に飲み込んだ。

ダメだ。今ここで我慢しなければ。
そう思っているのに涙が溢れだして、油断すると声が漏れそうになる。

大河。大河、私はあなたが好きだよ。
私が全てを捨ててあなたに飛び込んでいければ、どれだけ幸せだろう。
でも、私はそんなにかわいい女じゃない。
だから・・・

あぁ。

大河が角を曲がって、姿が見えなくなった。
その瞬間、私の足が無意識に動いてしまった。

嫌だ。
大河の側にいたい。
大河にために生きたい。

気が付けば、私は駆け出していた。
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