クリスマスイブ🔔
「すぐに逃げ出すのは、日彩の悪い癖だぞ」
「・・・」
わかってる。私はかわいげのない女だから。

「俺はそんなに頼りにならないか?」
「・・・そんなことない」
大河はいつも私を守ってくれる。

「クリスマスイブは一緒に過ごすって約束しただろう?」
「だって・・・」

私は精一杯の力で彼を振り払った。
今流されてしまったら、すべてが元に戻ってしまう。
そしてまた同じことを繰り返すんだ。

「日彩?」
少し驚いたような顔をした彼が、私を見ている。

「もう無理なのよ。大河とは一緒にいられない。別れましょう」

不思議だな、心にもないことがこんなにすんなり口から出るなんて。
きっと今言わないと、この先ずっと大河を振り回すことになる。そう思ったから言えたんだろう。

「本気か?」

「ええ」

いつも穏やかな表情の大河が、じっと私を見据えている。
私も奥歯を噛み締めて、必死に見つめ返した。

「一度失ったものは、もう戻らないんだぞ」
「ええ」
覚悟の上。

大河には、綾香さんのような人がふさわしいに決まっている。
あなたの横を歩くのは私ではいけない。
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