恋はゆるく,深くがモットーでしょ?
昼休みになって,俺は楓の教室に向かった。

教室に足を踏み入れると,ざわめきが広がる。

楓と飯を食ってた女子も,俺に好意を寄せているわけではなくても俺を知っているようで,知らなかったのは楓だけだ。



「楓……ねぇ,悟くん。何か寄ってきてない?」

「え?」



楓の友達の,小さくない内緒話で,楓はようやく俺に気がついた。



「ねぇ楓……」

「ふっふぇえ?」

「えっ知り合い……?」


楓は赤くなった。

突然呼び捨てにされることに慣れていないのかもしれない。



「あのさ,俺と友達になってよ」

「えっあっ,うん……? いい,よ?」




ーザワザワ

俺は楓をもっと見たいし,知りたい。

高校生にもなってダサいと思うけど,俺は多分楓と友達になりたかった。

許可を貰えて,安心する。

これからは普通に声をかけてもいいはずだ。



「楓,いつならひま? 俺,楓といたいんだけど」

「……なるほど? 初めまして,大山 心優です。どうぞ,お昼の時間は楓貸してあげます」



楓が困ったように友達らしき人を見ると,そいつはそう言った。

楓も嫌そうではなかったため,そのまま連れ出す。


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