恋はゆるく,深くがモットーでしょ?

カレカノな私達。

付き合って半年,もうすっかり慣れた悟の家。

最初は緊張したけど,悟のお母さんは夕方,お父さんは夜にしか帰ってこない。

私を悟が連れてきてくれたとき,悟のお母さんは泣いていた。

感情豊かでどっしりとした人。

お父さんはぽえぽえしていた。

いい意味で。

似合いの夫婦で,ちょっと憧れた。

それを悟にいうと,悟は嫌な顔をする。



「楓が母さんみたいになるのとかまじでゴメンなんだけど。そのままでいて」



悟は引っ付きたがる。

それは付き合ってない時から片鱗はあったように思う。

悟の家に来るようになっても,膝枕は変わらなかった。

私の足がいたくなる前に悟は起きて,



「おはよう」



と言って,私の腰の辺りに抱きつく。

付き合ってからされるようになったこれには,いつまで経ってもなれない。
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