たすけて!田中くん


にっこりと微笑みながらも、声音は鋭くて一気に空気がピリつく。

これが彼の本性なのかもしれない。

「お願いではなく、脅しのように思えるんですけど」

「俺はさ〜、周囲の大事なヤツ以外はどうでもいいんだ」


最初から私のことなんて利用する気しかないのだろう。

思えば、巻き込んできたきっかけはこの男だった。あの時すでに、彼の中で私を巻き込んで百瀬さんと近づかせる計画があったに違いない。


問題は何故、百瀬さんと私を仲良くさせたいかだ。


「君のこともどうだっていい」

「じゃあ、放っておいてもらえます?」

「けど、全部茅織のために必要だから」

百瀬さんは彼にとっても大事ってことらしい。

もしも百瀬さんが彼にとって邪魔なら、私を使って排除しようとしているのかもしれないと考えたけれど、逆に大事なのならますます理由がわからない。


けれど、私だってこの男も百瀬さんもどうだっていい。

彼らに憧れを抱く女子なら喜んで引き受けるだろうけれど、確実に人選ミスだ。


「君が従わないっていうなら、君の周囲の人に被害が及ぶかもしれないね〜」

「は? 周囲?」



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