たすけて!田中くん
「あのボタンね、弟がつけ直してくれたやつなの。私の弟すっごく器用でね、って聞いてんの?」
「お、おい! それくらいにしておけって!」
可愛らしい男の子、確か清水くん?が邪魔をしてきた。
スタンガンを持つ私の腕を掴み、銀髪への攻撃を阻止しようとしてくる。
ちらりと視線を向けて確認をしてみると、緑の男は伸されていた。
清水くんは、自分より背の高い男相手に勝てるくらいは強いらしい。
「なにしてんだ、希」
背後から聞こえてきた声に背筋が凍った。
「いや、この女が絡まれてて……」
清水くんの手が私の腕から離れて、背後に立つ人物と話をしはじめる。
たらりと、一筋の汗が額に流れる。嫌な予感しかしない。
ふ、振り返りたくない。
「女?」
この声って……思い当たるのはあの人しかいない。
知り合いだったってことは、もしかして清水くんも彼らの仲間?
「お前、凪沙か?」
びくりと肩を震わせる。
後ろ姿だけでバレてしまったみたいだ。
「え、敦士、凪沙ってもしかして……」
私が他校の絡んできた男をこんなふうに倒してたなんて知られたら、ますます妙なことに利用される予感しかない。ただでさえ、わけのわからないまま利用されているみたいなのに。
ますます彼らから抜け出せなくなるんじゃ……。