皇子の婚約者になりたくないので天の声に従いました
 さて、ミレーヌ、ルネ、シャノンの三人は今日の授業を終え、食堂でおやつを食べていた。

「ミレーヌ、おめでとう。婚約したんだって?」

 ルネが、デザートにスプーンをつけながら言った。

「ありがとう」

「おめでとうございます。お相手は、どちらの方なんですか?」
 シャノンが尋ねる。

「あの、第三騎士隊のエドガー隊長……」
 そこで、ミレーヌが少しうつむく。そうやって口にすると、恥ずかしいのだ。

「ミレーヌ。照れてるの? そんなんで卒パ、どうすんだよ?」

 卒パとは卒業パーティ。婚約者がいる者は婚約者をエスコートして、もしくは婚約者にエスコートされて、出席する。
 いない者は今、互いに必死になってエスコートの相手を探しているはず。それでも見つからない場合は……。

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