皇子の婚約者になりたくないので天の声に従いました
14.パーティのエスコート
 ミレーヌとルネは卒業のための実技試験からも解放されていた。学科レポートの結果も合格点に達し、卒業後は騎士団の入団が認められた。
 シャノンも同様で、学科レポートと実技試験をクリアして、卒業後は魔導士団の入団が決まっていた。
 あのときの屋上のお嬢様たちも、特にお咎め無しで無事に卒業できることとなった。そこにミレーヌの根回しがあったことを、あのお嬢様たちが気づいているのかは知らない。まあ、これはいわゆる弱みを握ったというやつだ。あのお嬢様たちがまたシャノンに何かやらかしたら、というときの奥の手。

 そして冒頭から話題にあがっていた第一皇子の婚約者は、残念ながらこの時期になっても決まっていないらしい。
 本来なら、卒業間際のこの時期にシャノン、天の声が言うにはヒロインと呼ぶらしい、が皇子と劇的な出会いをするはずなのだが、それが起こらなかったらしい。

 それもこれもミレーヌが天の声に従って、騎士科を選び、そして皇子の婚約者候補から外れ、さらにエドガーと婚約してしまったことが原因なようなのだが。
 ミレーヌとしては好みではない皇子と婚約するよりも、好みど真ん中タイプのエドガーと婚約できたことの方が嬉しい。
 だけど、いまだにちょっと二人の距離が遠いような感じがするのが、今の最大の悩みでもある。

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