皇子の婚約者になりたくないので天の声に従いました
「隊長と呼ぶのをやめていただけないだろうか」

 その言葉にミレーヌは首を傾ける。

「エドガーと呼んで欲しい」

「わかりました、エドガー隊長」
 ミレーヌが元気よく答えると。

「だから、隊長はいらん」

「はい、エドガーさん」
 エドガーはこれ以上言っても、これ以上の呼び方の進展は難しいだろうと思い、「さん」付けで妥協した。

「君に、あのときの御礼をしたいと思って、いろいろ考えたのだが。何がいいのかわからなくて」

「御礼なんていりませんよ。私は騎士として当然のことをしただけですから」

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