皇子の婚約者になりたくないので天の声に従いました
「たいちょーのこと、お義兄さんと呼びますからぁ」

「呼ばなくていい」

「いっそのこと」と口を挟んだのはアムラン。「私は隊長の弟になりたいです」

「お前みたいな弟はいらん」

「隊長、冷たいです。私たち、こんなに隊長のことを愛しているのに」

「さすがマーティン。お前、モテモテじゃん。なんでこんなにもてんのに、彼女の一人もいないわけ?」
 ロビーが腹を抱えて、笑いながら言う。

「そうですよ、たいちょー。なんで結婚しないんですかぁ?」

「いや、隊長は結婚しないでください。この独身騎士の会の会長なんですから。我々の希望です」

「やっぱ、お前の部下、サイコーだわ」
 とロビーは言いつつも、もしかしてマーティンが女性と縁が無いのは、こいつらのせいなのではないのか、とさえも思えてきた。

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