皇子の婚約者になりたくないので天の声に従いました
「じゃなくて、彼女とどこまで進展してんだ?」
 やはり、ロビーが期待していた答えでは無かったらしい。その問いに、エドガーは答えない。

「別に、答えたくないなら、言わなくていいけどよ。で、結局、付き合うことになったのか?」

 結局、また質問をしているロビー。
 興味本位からの質問と、こいつ大丈夫か? っていう確認も兼ねての質問。恐らくエドガーを心配している。
 だが、エドガーから返ってきた言葉は「知らん」だった。

「何、やってんだよ、お前。誘いたい相手を祭りに誘って、一緒に手をつないで歩いたら、そこはこう、ぐわっといかないとな」

「ぐわっといくとは、何だ?」
 真面目に聞き返されたので、それ以上、ロビーは言うことをやめた。ノリが悪いとか、そういうレベルじゃない。恐らく、どうしたらいいか彼自身がわかっていないのだ。
 わからないのは自分自身の気持ちなのか、それとも次に取るべき行動なのか。それすらわかっていないようだ。

「ま、いいや。のんびりしすぎて、他の奴にとられないようにしないとな」

 そのロビーの言葉に、エドガーの瞼がピクリと動いた。
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